映画「サヨナラCOLOR」

ボクは比較的映画が好きだ。映画館の雰囲気とか好きです。邦画か洋画どちらが好きかと聞かれると、洋画と答えるボクがアニメ映画以外で(多分)初めて好きになれた邦画が、竹中直人監督作品「サヨナラCOLOR」(2005年)。この映画はもともと違うタイトルで原作があったけど、監督の竹中氏が永積タカシ氏の同名の楽曲*1に感銘を受けてタイトルを変更したらしい。

サヨナラから始まることがたくさんあるんだよ
本当のことが見えてるならその思いを僕に見せて

とにかく良い曲。結構色々な人がLIVEなどでカバーしたりしてるみたいで、ひっそり人気はあるみたい。失恋や別離、あるいは永遠の別れ等に相対した時に聴きたくなる曲。なぜ誰もこの曲でアイマスMAD作らないのか不思議(n´・ω・`n)

楽曲について語り出したら止まらないので、映画に戻します。

思い出してくれましたか ? 僕のこと
海を臨む病院に勤める医師・佐々木正平(竹中直人)の元に、子宮がんを患った笈川未知子(原田知世)が入院してきた。偶然にも未知子は、正平が高校時代思い焦がれた初恋の人、その当人であった。

初恋の相手が目の前にいながらも、彼女は自分のことを忘れているし、彼女には同居人(段田安則)の男がいる。それでも諦めないで正平(主人公)は必死に未知子(ヒロイン)に自分のコトを思い出してもらおうとする。未知子の病気を何とか治したい正平は元気が出るように毎日未知子に付きっ切りになりがちになり、未知子はそんな正平のしつこさに当初は辟易していたが、次第に心を許す様になる。未知子が抱えてる問題を、正平は解決せんとする。正平の努力もあって未知子の病気はなんとか良い方向に向かうのだが…。
ボクは映画と言えば洋画と言うメリケン子なのですが、邦画で、と言うか映画で泣いたのは初めてでした。この作品はとても期待していたので、映画鑑賞後の余韻を誰にも邪魔されないように、一人で観にいったんです。小さな映画館の小さなスクリーンとの雰囲気も相まって、エンディングで感極まったボクは一人で来たにも関わらず涙を堪えらえませんでした。王道と言えば王道のような展開で、安易に想像出来るような結末かもしれませんが、正平のしつこさや、未知子を思う気持ちに心を打たれ、もう限界と言う時に、サヨナラCOLORが流れ、決壊。ただただ感動。
当時周りでは、せかちゅー等の恋愛(?)映画は多々ありましたが、ボクの食指は全く動きませんでした。元来、音声の大小の極端さや、演出で余計な間があったりする等の理由(偏見かもしれませんが)で邦画があまり好みではなかったのです。それに、いかにもリア充のような風貌の若者が恋愛して恋人を失って、みたいなストーリーはお腹一杯です。この作品の主人公はおじさんで、ヒロインも当然ボクから見ればお年を召している方です。そんな彼らの遅い青春。ボクもこんな恋愛してみたい:(;゙゚'ω゚'):
ボクはこのサヨナラCOLORという楽曲に惚れていて、憧れていて、この映画を観て、感動して、楽曲と一緒に映画も好きになりました。お勧めです。

*1:本来は永積氏のバンド「SUPER BUTTER DOG」の楽曲